5.8%しか流通しない最上のコーヒー 珈琲・製菓モなカ

コーヒー豆

限られた人だけしか味わえない 上位5.8%未満の味

例えコーヒーの苦手な人が飲んだとしても、美味しいと感じられること。それを第一に、毎日飲むものだからこそ体に悪い成分が入っていないこと、いつまでも美味しいコーヒーを楽しめるよう、生産者さんの生活も考えて作られていること。そんな条件でコーヒーを探したら、スペシャルティコーヒーの中でも一部のコーヒーだけに行き当たりました。

SCAJによる2016年の調査によると、スペシャルティコーヒーは日本に入ってくるコーヒーのうち5.8%しか存在しません。私たちが扱うコーヒーはその中でも限られたものだけです。品質が良い分、率直に言って安価なコーヒーではありません。しかり、一度お試し頂ければその味の違いはどんな人にも体験頂ける事をお約束します。

ハンドピックなしでお届けできるコーヒーはごく一部

コーヒー好きの間では、美味しいコーヒーを飲むにはハンドピックが必須と考えられています。しかし、焙煎店での「ハンドピック」というのはほとんど日本だけでしか行われていません。実際「Hand Pick」で英語の文献をイクラ探しても、「コーヒー豆を手摘みする」という話しか出て来ません。

このハンドピックという手法を発明したのはカフェ・バッハの田口護さんという方で、使われ始めたのは1960年~1970年代の事でした。意外と最近のことだと感じた方も多いと思います。ハンドピックを行う目的は、味の濁りの元になる低品質なコーヒー豆を取り除き、美味しいコーヒーを作る事にあります。

ハンドピックの必要な豆は品質が低い?

この目的に照らして考えた場合、現代において店舗でのハンドピック作業が必要になるコーヒーはそもそもあまり良い状態ではありません。というのも、良いコーヒーはそれだけ高値で買ってもらえるため、生産地のコーヒー農家さんも威信をかけて良い豆を出荷しようとするからです。

「欠点豆のハンドピック」といえば聞こえは良いですが、これは「生産地で十分なごみ取りが行われていないランクのコーヒー」を使っているという事に他なりません。確かにハンドピック前の味が70点としたら、ハンドピックによって80点に持ち上げられるかも知れません。でも、初めから90点の豆の味にはかなわない上、日本の時給でこの作業をすると、当然コーヒーの価格も上がってしまいます。

ハンドピックはスペシャルティ以前の技術

コーヒー豆が厳格に選別されるようになり、スペシャルティコーヒーという格付けが誕生したのは1980年代の事です。一方、田口護さんが美味しいコーヒーの淹れ方を試行錯誤し、欠点豆を取り除く方法にたどり着いたのは、最初にも書いたとおり1960年代〜1970年代の事です。

当時は良いコーヒーも悪いコーヒーもなく一緒くたに「コーヒー」でしたから、欠点豆を取り除くという行為には間違いなく意味があったはずです。でも、より高品質で選別済みのコーヒーが生産されるようになった現代において「ハンドピックをしています」というのは「ごみ取りが必要なグレードのコーヒーを使っています」という意味でもあります。

正直なことを言うと、スペシャルティコーヒーの中にもごみ取りが必要なコーヒーはあります。また、農産物のため昨年良くても今年は悪いというケースもあります。このため、モなカではまず最低でもスペシャルティグレードの豆を同じ産地のいくつかの銘柄に分けて小ロットで取り寄せ、最も質の高いものだけを使っています。

フェアトレード豆を使わない理由

モなカのコーヒーはフェアトレードコーヒーではありません。でも、生産者さんの生活を考えたコーヒーしか使っていません。なぜならスペシャルティコーヒーの格付け基準には「持続可能な生産」という項目があり、産地の生産者さんが金銭的な面だけでなく環境面まで考えて継続的に生産を続けられる体勢が整っていなければスペシャルティコーヒーの認定が取れず、私たちのコーヒーは全量スペシャルティグレード以上のものだからです。

フェアトレードというのはスペシャルティコーヒーのように持続可能な生産について考えられていない産品に対して、後付けで生産者さんの生活を守るために作られた仕組みです。方法は簡単で、フェアトレード団体というところが生産者さんと消費者の間に入り、生産者さん側に不利益が出ないように調整している訳です。

一方スペシャルティコーヒーの理念はそのような団体を経由せず、素晴らしいコーヒーを作り続けてくれる生産者さんに直接十分な対価を払ってコーヒーを購入するという考え方です。言ってみればフェアトレードの目的は「生産者さんの生活を安定させること」である一方、スペシャルティコーヒーは「高品質なコーヒーを適正価格で買う」事が目的で「結果的に生産者の生活を安定させる」仕組みなのです。